宙玉開発Story
宙玉の製品化を模索していた、実験写真家の上原ゼンジ氏。
同氏も登場する椎名誠氏の「あやしい探検隊」の愛読者であった弊社代表。
意外な接点が、やがて、soratama 72の製品化を実現する。
宙玉開発 History
編集者から、写真家へ。
実験写真家 上原ゼンジ氏は、その発想力豊かな作品が魅力であるが、経歴もまた興味深い。
大学在学中に、『本の雑誌社』に出入りを始め、椎名誠氏の「あやしい探検隊」キャンプに参加。同シリーズの書籍で「上原ゼンジ」として登場。
以来、この「ゼンジ」という表記をそのままペンネームとして使用しているという。
編集の仕事を行う一方で、写真が面白くなり独立。
編集業、写真撮影、映画の撮影スタッフ、画像処理、アニメーション映画のプロデューサーなど、フィールドがどんどん拡大。
「日刊デジタルクリエイターズ」誌上で実験的な写真の連載を開始する。
ひらめきから宙玉を考案。
そして、2009年に宙玉を考案。
玄関のドアスコープを手に持って撮影すると、ドアスコープの内側と外側が同時に撮影できることから、宙玉のアイディアを思いついたという。
お菓子の空き箱とアクリルの玉を使う方法を公開したところ、瞬く間に人気を集める。
当初からガラス玉を使用した宙玉も製作していたが、製造コストがかかりすぎるという問題があった。
小ロットでも製品化できる。
「光学ガラスを使った宙玉を製品化したい、という思いは初めからありました。」
上原氏は、大手メーカーに話を持ちかけるも、小ロットの生産しか見込めないため製品化には繋がらなかった。
一方、「あやしい探検隊」のファンであり、上原氏の記事の購読者であったのが、コゾフィルタース代表の石川。
ビデオ・カメラ用フィルター製造の技術を活かした、新しい製品を模索していた最中、
宙玉の記事を読んだ石川は、上原氏にコンタクトを取る。
両者の目的が合致すると、soratama 72の製品化は、自然の流れのように動き出した。
上原氏のsoratama 72に対するこだわりは強く、パッケージのデザインまで全て自分で手がけるほど。
パッケージデザインでは、本の装丁経験が活かされているという。
コゾフィルタースが「立体物」を手がけるのは、これが初めての取り組みとなった。
soratama 72を製造するために、新しい装置の開発から始め、
創業から70年以上培ってきた技術により、生産ラインが確立していった。
こうして製品化されたのが、soratama 72である。
Profile
上原ゼンジ
実験写真家。
宙玉レンズを始め、手ブレ増幅装置や円窓シリーズなど、さまざまな実験的な写真に取組み発表している。
また早くからカラーマネージメントに取り組み、ワークフロー普及のための執筆や講演活動を行っている。