コーティング工程
カメラ・ビデオ用レンズフィルターに求められる性能は、その用途によって大きく異なりますが、
●必要な光線をフィルム・受光素子に届ける。
●不要な光線をレンズに入る前に除去する。
ことが基本的な性能となります。
写真やビデオは、「人間の目で見た世界」を再現する道具であるため、(天文写真等の特殊な用途でない限り)「人の目が感じ取ることができる光の波長=可視光」をフィルムや受光素子に届ける必要があります。
可視光は、下界は約360?400nm(ナノメートル)、上界は約760?800nmとなります。
例えば、どんな波長の光線も通す(光学的に)優れたガラスがあったとしても、可視光域外の光、すなわちカメラ・ビデオにとっては不要な光線を通してしまっては、レンズフィルターとして優れた製品とはいえないのです。
これらをコントロールするため、ガラス表面に特殊な物質を蒸着コーティングさせ、レンズフィルターの特性を変化させていきます。
コーティングによるおもな目的は以下となります。
●透過率を上げる。
●反射率を抑える。
●紫外線を特定の波長でカットする。
●色調を変化させる。
●汚れを防止する
これら複数のコートを1枚のレンズフィルターに施す「マルチコート」が、現在の主流となっています。